この記事では、変体仮名の読み方のコツを紹介します。
「変体仮名ってアレでしょ?昔の人の書いた、とにかくつながりまくってて、ふにゃふにゃした読みづらいやつ・・・」と思った方。
正解です!
そのつながりまくった、ふにゃふにゃした文字も、読み方のコツさえつかめば、すらすらと読むことができるようになるんです。
実は、最近でも街中の看板には変体仮名が使われていることもありますし、ネットで変体仮名で書かれた文章を読むこともできます。
読み方がわかれば、変体仮名を見つけてテンションがあがるようになること、まちがいなしです!!
さあ、それでは変体仮名の読み方をマスターしていきましょう。
変体仮名とは?
コツに入る前に、そもそも変体仮名とは何なのか、ということを確認しておきましょう。
国語辞典には、以下のように書かれています。
現在普通に用いられている平仮名と異なる字体の仮名。異体仮名。 【参考】現在の平仮名の字体は、明治三十三年(一九〇〇)年の小学校施行令規則に基づくもの。(旺文社国語辞典参照)
ウィキペディアの「変体仮名」の項目に、「平仮名の字体の統一が進んだ結果、現在の日本では変体仮名はあまり使用されなくなった」とあるように、統一が行われるまでは一つの音に対して、たくさんの漢字が使われていました。
統一前:[a]という音を表す仮名は「安」「阿」「愛」「悪」「亜」などもあった。
☟
現在:[a]という音を表す仮名は「あ」だけ。
読み方のコツ
今回、実際に変体仮名を読み進めながら説明していく上で、「国立国会図書館デジタルコレクション」にて公開されている『徒然草』を題材として取り上げます。(以下、この題材のことを「本文」と言います。)
国立国会図書館デジタルコレクション - [徒然草] 2巻. [1]
こちらのサイトでは、「PDF作成」をして簡単にページを印刷することができるので、解読する際にはぜひ使ってみてください。
色々と書き込みながら読んだ方が頭に入りますし、身につくのも早くなりますよ。
それでは、ここから変体仮名の読み方について具体的に説明していきます。
まずは、原文がわかる資料を用意しよう。
最初から何も見ずにすらすら読める訳はありません。
だから、はじめての方は必ず原文を用意しましょう。
ネットで検索すれば簡単に見つかりますし、本屋さんで売っている古典本でもOKです。
今回は、こちらのサイトのものを使います。
http://www.utakura.com/nikki/turezuregusa.htm#001
原文を見ながら、文字の切れ目を探そう。
原文をワンフレーズ程度読み、それを忘れないうちに変体仮名の方の文字の切れ目(だと思う)部分に線を引いていきます。
今回はわかりやすいようにと、色ペンで引いてみました。
正直、最初はどこが切れ目かもわからないかもしれません。
でも、大丈夫。
最初はなんとなくでも、繰り返していけばわかるようになります。(ガチだよ)
原文を書き入れよう。
切れ目を入れたら、右となりを1行空けた2行目に原文を書きます。
ちょっとめんどくさいかもしれないけど、最初は丁寧にやった方が上達が早いです。
変体仮名を書き入れよう。
いよいよ変体仮名を書きこんでいきますよ。
といっても、何をどうしたらいいかわからないですよね。
まず、「変体仮名 一覧」と検索して、変体仮名の一覧表を用意しましょう。☟
今回は、こちらのサイトを参考にさせていただきました。
このサイトは、一つの音(「あ」)に対して、いくつかの漢字(「安」「阿」「愛」「悪」「亜」)が紹介されており、しかも同じ「安」という字であっても色々な形のものが紹介されているのでおすすめです。
変体仮名の一覧を見られる準備が整ったら、一文字ずつ見ていきましょう。
『徒然草』の冒頭は「つれづれなるままに」で、一文字目は「つ」ですね。
本文の「つ」と見比べてみると、右と左にはっきり分かれていることから「川」や「都」のような一続きのものではないことがわかります。
「徒」と「津」では、右側の複雑加減に違いがありますね。
本文の「つ」を見てみると、上の「つ」の変体仮名の「徒」の一番右に酷似していることがわかります。
ということで、ノートの本文の「つ」の隣には「徒」と書き入れます。
このように、一文字一文字、本文と変体仮名一覧を見比べながら進めていきます。
最初は時間がかかりますが、慣れれば一覧を見なくてもわかるようになります。
ぜひ、実際にご自身でもやってみてくださいね。
読んでいただきありがとうございました。次もまた見に来てね。ぐっばい。